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2016/04/26

ノートNISMO S 試乗レポート Ⅰ

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2014年10月、NISMOロードカーシリーズに新たなコンパクトスポーツが加わった。E12型ノートNISMO S/NISMOだ。NISMOロードカーとしては第4弾にあたる。ちなみにノートはマーチと兄弟車にあたり、そのプラットフォームは共通だ。じつは、先代のE11型ノートもやはり先代のK12型マーチとプラットフォームはほぼ共通。ただし、ノートはホイールベースがマーチより150㎜長い2600㎜となり、室内の居住性はゆとりあるものとなっている。ノートNISMO Sには1600㏄のHR16DEが搭載され、マーチNISMO S同様に5速マニュアルミッションが採用された。ただし、マーチNISMO Sとは微妙にギヤ比のスペックは異なる。

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■ハイスペックなテンロク・エンジン
1600㏄のHR16DEは、ノートNISMO Sに搭載するにあたりスペシャルチューニングが施された。マーチNISMO Sでは中低速の実用域のレスポンスとトルク感を重視したのに対し、今回は中低速域はそのままに高回転域の伸びとパンチ力を増したという。実際、メカニズム面も凝ったものとなっている。吸・排気にバルブタイミングコントロールが装着され(マーチNISMO Sは吸気側のみ)、燃料を噴射するインジェクターも1気筒に2本装着されている。また圧縮比もマーチの10.5に対し11.2と高圧縮タイプとなっている。中低速はマーチ並みでさらに高回転域の伸びを実現するため、吸排気系も専用パーツが奢られた。エキゾーストマニホールドはマーチのモノよりも太く、またインテークマニホールドも高回転域で使えるものとしている。とくにエアクリーナボックスから先の吸気ダクトは太く、日産の設計基準のなかではギリギリまで吸入面積を拡大したようだ。ちなみに、これをマーチNISMO Sに流用するチューニングはもはや定番となっている。一方、中低速域を確保する役目はカムシャフトのスペックに委ねられた。この結果、140ps/6400rpmの最高出力を絞り出し、テンロク・クラスではトップのカタログスペックを誇っている。直接のライバルとなるスイフト・スポーツは136ps/6900rpmだ。

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■3,4,5速がクロスレシオ
トランスミッションは、基本的にはマーチNISMO Sと同じもの。ただし、ファイナルギヤがマーチの4.066から4.214に変更された。これはタイヤ外径の違いを補正するもの。マーチのタイヤは205/45R16で外径590㎜、ノートは205/45R17で外径616㎜。各ギヤ比は1速から3速まではマーチNISMO Sと共通で、このファイナルギヤの補正でトータルのギヤ比は同じとなっている。異なるのは4速と5速。ノートは4,5速が3速に近いギヤ比に設定されたクロスタイプで、3、4、5速を使うようなサーキットでは非常に有効なギヤ比であろう。反面、高速道路の巡航では計算上5速100㎞/hで3200rpmぐらい回ってしまう。マーチは3000rpmだ。またシフトフィール向上のためか、トランスミッション側のシフトワイヤー取り付け部に振動や音対策と思われるマスダンパー(重り)が装着されている。これがノートのシフトフィールがマーチよりも高級感のあるものになっている理由のようだ。ちなみにデフにはファイナルのリングギヤが溶接されている。このため、スポーツ走行の必需品であるLSDは、マーチとノートで互換性がなく、それぞれ専用のファイナルギヤを持った専用のLSDが必要となる。

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■4輪ディスクは大きな魅力
サスペンションは、基本的にマーチと同じで、フロントストラット、リヤトーションビーム。各部の部品もほとんど同じだ。ただし、ショックアブソーバーの径はノートの方がひとまわり太く、懐の深い減衰力特性を発揮しているようだ。またフロントのスタビライザー径はマーチのφ18.5に対し、ノートはφ20.5と太い。リヤスタビライザーに関してはφ18.3で共通だ。タイヤに関しては、マーチの16インチ対し、ノートは17インチを採用。太さはともに205幅だが、ブランドが異なる。ノートはPOTENZA S007を装着している。またブレーキは4輪ディスクブレーキを採用し、ブレーキマスターシリンダーなども変更された。一方、ボディに関しては、マーチと同じような補強材が加えられているが、ノートの方が1ヵ所多い。車両重量について見てみよう。カタログではマーチの1010㎏に対し、ノートは1080㎏と70㎏の差となっている。しかし、実際に計測してみると、マーチの999㎏に対しノートは1087㎏で、その差は約90㎏だった。ちなみにガソリンは満タン状態での重量。

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以上のようにカタログスペックから読み取れるのは、ノートNISMO Sは2600㎜のロングホイールベースのため、穏やかな操縦性と高速コーナーでの安定した走りが予想される。また高回転で使えるエンジン特性と3速以上のギヤがクロスしていることから、筑波2000以上の大きなサーキットで楽しめるのではないかという印象だ。次回は、実際に走ってみた印象をお届けしたい。

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